がんばってるのに、
給料だけ動かない。
20代で
年収が上がらない
理由と、今から
できる5つの対策
原因は能力ではなく、
給料の決まり方にあるかもしれません。
入社して2年、3年。仕事量は確実に増えたのに、手取りはほとんど変わっていない。昇給の案内を見たら月に数千円で、正直がっかりした。20代の給与の話で、いちばんよく出てくるのがこのパターンです。
能力の問題だと受け取ってしまいがちですが、給料がどう決まっているかを見ると、別の理由が見えてきます。まず実際の数字から確認します。
目次
データで見る、20代の平均給与
国税庁が毎年公表している調査に、年齢階層別の平均給与があります。1年を通じて勤務した給与所得者の数字です。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第10表(事業所規模別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額)、2025年9月公表。1年を通じて勤務した給与所得者の男女計の平均です。全年齢の平均は478万円。
注目したいのは伸び幅です。20代前半から後半にかけては130万円増えていますが、20代後半から30代前半では42万円しか増えていません。
つまり20代後半は、給与がいちばん大きく動く時期だということです。ここで止まったまま30代に入ると、その後の伸びは緩やかになります。
※これは全業種・全職種をまとめた平均です。業界によって水準は大きく違うため、自分の数字と単純に比べるものではありません。あくまで全体の傾向として見てください。
年収が上がらない3つの理由
理由 1
会社の給与テーブルに上限がある
多くの会社では、等級ごとに給与の幅が決められています。その等級の上限に近づくと、評価が高くても上がり幅は小さくなります。等級が変わらない限り、頑張りの量と給料は連動しません。
理由 2
業界の利益構造そのものが違う
同じ職種でも、業界によって払える給与の水準は変わります。自分の働き方を変えるより、原資の大きい業界に移るほうが差が出るのは、この構造によるものです。
理由 3
社内での評価が、社外の相場に反映されていない
社内では「まだ3年目だから」と見られていても、求人市場では同じ経験に別の値段がついていることがあります。自分の相場を調べていないと、この差に気づけません。
3つに共通するのは、自分の努力の外側で決まっているという点です。だから頑張っても動かない。ここを取り違えて「自分の実力不足だ」と結論づけてしまうのが、いちばんもったいないパターンです。
転職した20代の半数は、賃金が増えている
厚生労働省の調査では、転職した人の賃金が前職と比べてどう変わったかが年齢別に集計されています。
賃金が増えた人
50.5%
うち1割以上増 38.5%
賃金が増えた人
46.3%
うち1割以上増 37.9%
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」表6(転職入職者の賃金変動状況別割合)。全年齢の計では「増加」40.5%、「減少」29.4%、「変わらない」28.4%。
20〜24歳では、減った人が16.8%にとどまる一方、増えた人は50.5%。差し引きで33.7ポイント、増えるほうに傾いています。
ただし、半数は増えていないということでもあります。転職すれば上がるのではなく、上がる人と上がらない人が分かれている。準備をしたかどうかが、この分かれ目に効いてきます。
額面が上がっても、手取りが増えにくい理由
昇給したはずなのに、振り込まれる金額がほとんど変わっていない。20代で給与明細をちゃんと見るようになると、たいていここでつまずきます。
給与から引かれているのは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税です。このうち社会保険料は、4月から6月の給与をもとに決まった「標準報酬月額」で計算され、9月分から1年間その金額が適用されます。
つまり、春先に残業が多かった年は、そのあと1年にわたって引かれる額が増えます。昇給の数千円が、社会保険料の上がり幅に食われてしまうのはこの仕組みによるものです。
住民税も遅れてやってきます。前年の所得に対してかかるため、社会人2年目の6月から急に引かれ始めます。1年目と2年目で手取りが減ったように感じるのは、能力の問題でも評価の問題でもありません。
※社会保険料率は加入している健康保険組合や都道府県によって異なります。正確な金額は、自分の給与明細と加入先の料率表で確認してください。
この仕組みを踏まえると、手取りを実感として増やすには、数千円単位の昇給では足りないということになります。等級が変わる、あるいは環境が変わるくらいの動きが必要です。
今からできる5つの対策
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STEP 1自分の等級と、その上限を確認する
就業規則や賃金規程に、等級ごとの給与の幅が書かれています。上限に近いなら、今の等級で粘っても結果は変わりません。昇格の条件まで確認できれば、残る道が見えます。
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STEP 2同じ職種の求人を20件見る
自分の経験年数で、どのくらいの提示額の求人があるのか。応募しなくても見るだけで相場がつかめます。社内の評価しか知らない状態から抜け出すのが目的です。
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STEP 3やってきたことを数字にする
担当件数、扱った金額、関わった人数。交渉でも書類でも、数字が入っていないと比較の土俵に乗りません。実績でなくても、規模が伝わる数字で構いません。
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STEP 4スカウト型に登録して、反応を見る
経歴を登録しておくと、どんな企業がどの条件で声をかけてくるかが分かります。応募するかは別の話なので、在職中に市場価値を測る手段として使えます。
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STEP 5社内で動くか、社外に出るかを決める
ここまで調べると、昇格を狙うほうが早いのか、環境を変えるほうが早いのかが判断できます。材料をそろえずに決めるから迷い続けるので、順番としては最後に来ます。
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やらないほうがいいこと
避けたい進め方
年収が上がらないことに腹が立って、勢いで退職届を出す。収入が止まってから転職活動を始めることになり、提示された条件をそのまま受けるしかなくなる。
現実的な進め方
在職のまま相場を調べ、書類を整え、反応を見る。そのうえで条件のいい話が出たら動く。断れる状態を保ったまま進めるので、交渉の余地が残る。
在職中の活動がしんどいのは事実です。面接の日程を平日に入れるために有給を使い、日々の業務をこなしながら書類を直す時間を捻出することになります。それでも、収入が途切れた状態で焦って決めるより、結果として条件のいいところに落ち着きやすくなります。
もうひとつ避けたいのが、年収だけで転職先を決めることです。提示額が高い求人には、その分の理由があります。残業時間、評価の仕組み、担当する範囲。入社前に確認しておかないと、上がったのは額面だけ、ということになりかねません。
よくある質問
Q. 上司に年収交渉をしてもいいですか?
してはいけないものではありませんが、タイミングと材料が要ります。評価面談の場で、担当した範囲が広がった事実と、その結果を数字で示すのが基本です。ただし、等級の上限に当たっている場合は、交渉しても動かせる幅はほとんどありません。先に就業規則を確認しておくほうが確実です。
Q. 資格を取れば年収は上がりますか?
資格手当がある会社なら、その分は確実に増えます。一方で、資格そのものが転職市場での提示額を大きく変えることは、20代ではあまり多くありません。資格より、何を担当してどこまでできるようになったかのほうが見られます。手当の有無を先に確かめてから、取るかどうかを決めるといいでしょう。
Q. 副業で補うのはどうですか?
収入を増やす手段としては成立します。ただ、本業の年収が上がらない構造は残ったままなので、根本の解決にはなりません。就業規則で禁止されている場合もあるため、始める前に確認が必要です。本業の時間を削って体力を使い切ってしまうと、転職活動に回す余力がなくなる点にも注意してください。
Q. ボーナスが少ないのも年収に影響しますか?
影響します。賞与は会社の業績と支給月数で決まるため、月給が同じでも年収に大きな差が出ます。求人票を見るときは月給だけでなく、賞与の実績が何か月分と書かれているかまで確認しておくと、入社後のずれが減ります。