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同じ働き方でも、
業界で2倍変わる。

20代の転職、
業界はどう選ぶ?
給与水準と
人の出入りで見る

職種を変えるより、
業界を変えるほうが差が出ることがあります。

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NextCareer編集部

20代・第二新卒の転職情報を取材・執筆

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転職を考えるとき、多くの人はまず職種を見ます。営業から企画へ、事務から経理へ、というように。ただ、20代の転職で結果に効いてくるのは、職種より業界のほうかもしれません。

同じ事務職でも、業界が違えば平均給与は2倍以上変わります。自分の働き方ではなく、原資の大きさで決まっている部分があるからです。ここを知らずに職種だけで探すと、選択肢をかなり狭めてしまいます。

目次
  1. 業界によって平均給与は2倍以上違う
  2. 主要な業界の平均給与を並べてみる
  3. 人の出入りが多い業界、少ない業界
  4. 給与が高い業界に入れば解決、ではない
  5. 20代が業界を選ぶときの4つの軸
  6. 未経験から入りやすい業界の見分け方
  7. よくある質問

業界によって平均給与は2倍以上違う

国税庁が毎年公表している調査に、業種別の平均給与があります。1年を通じて勤務した給与所得者の数字です。

業種別の平均給与(男女計)
平均給与は電気・ガス等が832万円、金融業・保険業が702万円、情報通信業が660万円、全体平均が478万円、宿泊業・飲食サービス業が279万円。 電気・ガス・熱供給・水道業:832万円 832 電気ガス 金融業,保険業:702万円 702 金融保険 情報通信業:660万円 660 情報通信 全体の平均:478万円 478 全体平均 宿泊業,飲食サービス業:279万円 279 宿泊飲食

出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第8表(業種別及び給与階級別の総括表)、2025年9月公表。単位は万円。1年を通じて勤務した給与所得者の男女計。

最も高い電気・ガス・熱供給・水道業が832万円、最も低い宿泊業・飲食サービス業が279万円。その差は約3倍です。

これは役職や経験年数をならした全体の平均なので、同じ仕事をすれば3倍もらえるという話ではありません。ただ、どの業界にいるかで給与の天井が決まっていることは、この数字からはっきり読み取れます。

主要な業界の平均給与を並べてみる

グラフに載せきれなかった業種も含めて、同じ調査の数字を並べます。

業種平均給与全体平均との差
電気・ガス・熱供給・水道業832万円+354万円
金融業,保険業702万円+224万円
情報通信業660万円+182万円
製造業568万円+90万円
建設業565万円+87万円
不動産業,物品賃貸業496万円+18万円
運輸業,郵便業488万円+10万円
全体の平均478万円—
卸売業,小売業410万円−68万円
宿泊業,飲食サービス業279万円−199万円

出典:同上。金額は万円未満を四捨五入しています。

今いる業界がどのあたりにあるか、確認してみてください。平均より下にいる場合、同じ職種のまま業界を移るだけで水準が変わる可能性があります。

注意しておきたいのは、この数字が20代の給与ではないという点です。全年齢をならした平均なので、20代の実額はこれより低くなります。同じ調査で年齢階層別に見ると、20〜24歳は277万円、25〜29歳は407万円でした。業界ごとの数字は、あくまで業界どうしを比べるための物差しとして使ってください。

比べ方としては、今の業界の平均と移りたい業界の平均の差を見るのがいちばん分かりやすい方法です。たとえば卸売業・小売業から情報通信業なら、平均で250万円の開きがあります。もちろん個人の給与がそのまま250万円動くわけではありませんが、天井の位置がどれだけ違うかは読み取れます。

人の出入りが多い業界、少ない業界

給与と並べて見ておきたいのが、人の出入りの多さです。厚生労働省の調査では、産業別に入職率と離職率が出ています。

一般労働者で入職率が高いのは、宿泊業・飲食サービス業の21.2%、サービス業(他に分類されないもの)の19.4%。離職率が高いのも同じ顔ぶれで、サービス業19.0%、宿泊業・飲食サービス業18.1%となっています。

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」表4-2(産業、就業形態別入職率・離職率・入職超過率)。

入職率が高い業界は、未経験でも入りやすいということです。同時に離職率も高いので、入ったあとに定着しにくい面もあります。この両面を知ったうえで選ぶかどうかで、入社後の納得感が変わります。

人数で見ると、入職者がいちばん多いのは卸売業・小売業で138万人あまり、次いで宿泊業・飲食サービス業が121万人、医療・福祉が116万人でした。求人の数が多い分野は、だいたいこのあたりに集中しています。

※入職率は「年初の常用労働者数に対する入職者の割合」です。業界の成長性を直接示すものではありません。

給与が高い業界に入れば解決、ではない

数字だけを見ると、平均給与の高い業界に移ればいいという話に見えます。ただ、実際にはそう単純にいきません。

落とし穴 1

平均が高い業界は、入口も狭い

電気・ガスや金融は、新卒採用が中心で中途の枠が限られる会社が多い分野です。平均が高いのは、長く勤めている人の比率が高いからという面もあります。

落とし穴 2

未経験で入ると、最初は平均を大きく下回る

業界平均はあくまで全体の数字です。未経験で入る場合、スタートは下の層になります。何年でどこまで上がる見込みなのかを、選考のなかで確認しておく必要があります。

落とし穴 3

同じ業界でも、会社によって差が大きい

情報通信業ひとつとっても、自社サービスを持つ会社と、受託で人を出す会社では給与の決まり方が違います。業界名だけで判断せず、その会社がどこから利益を得ているかまで見たほうが確実です。

業界の数字は、候補を絞るための出発点です。最終的には、応募先がどういう稼ぎ方をしているかを一社ずつ確かめることになります。

20代が業界を選ぶときの4つの軸

  1. 軸 1今の経験がそのまま使えるか

    業界だけ変えて職種を残すと、経験が評価されたまま水準だけ上がることがあります。20代の転職でいちばん通りやすいのがこのパターンです。

  2. 軸 25年後も人が必要とされているか

    今の求人数より、この先も採り続ける分野かどうかを見ます。縮小していく市場では、入れたとしてもその後の選択肢が減っていきます。

  3. 軸 3働き方が生活と噛み合うか

    土日が稼ぎどきの業界、夜間の対応がある業界、出張が多い業界。給与が高くても、生活と合わなければ続きません。ここは数字より、実際に働いている人の話を聞くほうが早いです。

  4. 軸 4次に移るときに潰しが効くか

    20代の転職は、たいてい最後の転職になりません。その業界でついた経験が、他でも通じるものかどうか。特殊な社内システムの運用だけに詳しくなる環境は、次が狭くなります。

4つすべてを満たす業界はまずありません。どれを優先するかを決めてから求人を見ると、比べる基準ができて迷いにくくなります。

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未経験から入りやすい業界の見分け方

求人票から読み取れるサインがいくつかあります。

ただし、年間を通して募集が出ている求人は、人が定着していない可能性もあります。入職率と離職率がどちらも高い業界では、このサインは両方の意味を持つと考えておいてください。

気になった会社があれば、その会社の求人が何年前から出ているかを検索してみると、ある程度の見当がつきます。

よくある質問

Q. 業界と職種、どちらを優先すべきですか

20代前半で経験が浅いうちは、業界を変えるほうが選択肢が広く取れます。経験が3年を超えてくると、職種の経験が評価の中心になるので、職種を残して業界を変えるのが通りやすくなります。両方いっぺんに変えるのは、年齢が上がるほど難しくなります。

Q. 成長業界に入れば年収は上がりますか

業界が伸びていることと、そこで働く人の給与が上がることは別の話です。伸びている分野ほど新規参入が多く、競争で単価が下がることもあります。業界の伸びより、その会社の利益率と、利益を人件費にどう配分しているかを見るほうが確実です。

Q. 業界の情報はどこで調べればいいですか

公的な統計(国税庁の民間給与実態統計調査、厚生労働省の雇用動向調査)で全体の水準をつかみ、個別の会社は有価証券報告書や採用ページで確認するのが基本です。上場していない会社は情報が少ないので、求人を扱っている担当者に直接聞くのが早道になります。

Q. 今の業界に残るべきか判断できません

今の業界の平均給与が全体平均をどれだけ上回っているか、そして自分の給与がその平均とどれだけ離れているか。この2つを並べると、業界の問題なのか会社の問題なのかが分かれます。会社の問題なら、業界を変えずに同業へ移るだけで解決する場合もあります。

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