
意欲を見せる場ではなく、
確かめる場。
逆質問で差がつく
20代が面接で
聞くべきこと・
避けたいこと
辞めた理由から逆算すると、
聞くことが決まります。
「最後に何か質問はありますか」。ここで用意していた質問を1つ出して、面接が終わる。よくある流れです。
多くの人がこの時間を「意欲を見せる場」だと考えています。それも間違いではありませんが、順番としては後ろです。逆質問はもともと、入社してから後悔しないために確かめる場です。
何を確かめるべきかは、人が実際に辞めている理由から逆算できます。公的な統計にその内訳が出ているので、そこから組み立てます。
20代が前職を辞めた理由の内訳
厚生労働省の雇用動向調査に、転職して入職した人が前職を辞めた理由が年齢別・男女別で載っています。25〜29歳の男性の数字です。
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表5(転職入職者が前職を辞めた理由別割合)。男性25〜29歳。「その他の理由(出産・育児、介護等を除く個人的理由)」を除いた項目を抜粋。
給料が16.9%で最も多く、人間関係11.5%、労働条件9.8%、会社の将来への不安8.1%と続きます。
女性の25〜29歳では順番が変わり、労働条件が15.2%、人間関係が14.0%と、この2つが上に来ます。
これを並べて見ると、辞める理由は給料・人・時間・将来の4つにほぼ集約されることが分かります。逆質問で確かめるべきなのも、この4つです。
辞めた理由から逆算すると、聞くことが決まる
逆質問を考えるときに「何を聞けば印象がいいか」から入ると、調べれば分かることを聞いてしまいます。そうではなく、自分がこの4つで失敗しないために何を知る必要があるかから入ります。
4つの項目は、求人票からは読み取れません。給与は幅で書かれていて、残業時間は平均しか載っておらず、人の相性は書けるものではなく、会社の将来は求人票に書く話ではありません。だから面接で聞くしかない情報になります。
また、就職後3年以内の離職率は大学卒で33.8%です。3人に1人は入社後3年のあいだに合わないと判断しています。確かめる作業を飛ばすと、この側に入る確率が上がります。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」2025年10月公表。大学卒の3年以内離職率33.8%、高校卒37.9%。
もうひとつ押さえておきたいのは、辞めた理由の上位に「仕事内容が合わない」が入っていないことです。入社前にいちばん不安になるのは仕事の中身ですが、実際に辞める原因になっているのは給料・人・時間・将来の4つでした。確かめる優先順位は、不安の順番とずれているということです。
逆質問の時間は限られています。3つしか聞けないなら、仕事内容の確認よりも条件面の確認を先に置いたほうが、入社後の後悔は減ります。仕事の中身は、選考の本編で向こうから説明されることも多い部分です。
聞くべき5つの質問
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1この職種で入った人は、何年目で給与がどう変わりますか
提示額だけ見て入ると、2年後に動かないことに気づきます。昇給の仕組み(定期昇給か評価連動か)と、2〜3年目の実額のレンジを聞きます。「人によります」で終わったら、評価の基準が固まっていないサインです。
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2配属予定のチームは何人で、年齢構成はどうなっていますか
人間関係そのものは聞けませんが、構成は聞けます。20代が自分だけなのか、同年代が複数いるのか。直近1年で人が入ったか辞めたかも、答えられる範囲で聞いておきたい部分です。
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3繁忙期はいつで、そのときの終業時間はどのくらいですか
平均の残業時間を聞いても実態が出ません。年間で最も忙しい時期の具体的な時間を聞くほうが、生活と合うかの判断ができます。
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4この部署の売上や利益は、全体のどのくらいですか
会社の将来への不安は、ここで多少見えます。縮小している部門に配属されると、数年後の選択肢が狭くなります。答えにくい会社もありますが、聞いたこと自体が評価されることも多い質問です。
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5入社後1年で、何ができるようになっていてほしいですか
期待される役割がはっきりします。ここが曖昧なまま入ると、評価のされ方が分からず、昇給の話にもつながりません。答えが具体的な会社は、育てる手順を持っている会社です。
5つ全部を1回の面接で聞く必要はありません。自分が前の職場で何に困ったかによって、優先順位を決めてください。給料で辞めた人は1番、時間で辞めた人は3番が最優先です。
避けたい3つの質問
避けたい 1
調べれば分かることを聞く
事業内容、拠点の数、主力サービス。採用ページに載っていることを聞くと、見ていないことが伝わります。これは意欲の話として受け取られるので、損しかありません。
避けたい 2
休みと残業だけを並べて聞く
労働条件は確かめるべきですが、質問が全部その方向だと、仕事の中身に関心がないように見えます。業務の話を1つ挟んでから条件の話に入ると、受け取られ方が変わります。3番の質問が「繁忙期」から入っているのはこのためです。
避けたい 3
「特にありません」で終わらせる
確かめないまま入ると、辞める理由の上位4つがそのまま再現されます。面接官への印象というより、自分が損をします。聞くことがないなら「お話を聞いて確認したい点は解消しました」と添えるだけでも違います。
答えがはぐらかされたときの読み方
質問より、返ってきた答えのほうが情報量があります。読み方を挙げます。
- 昇給の質問に「がんばり次第」だけが返る → 評価の基準が明文化されていない
- チーム構成の質問で、直近の退職者の話を避ける → 人の入れ替わりが多い可能性
- 繁忙期の終業時間を答えられない → 管理している人が現場を見ていない
- 部署の数字を「全社では」と言い換える → その部署単体では言いにくい状況
- 1年後の期待が「まずは慣れること」だけ → 育てる手順が決まっていない
どれも1つだけなら偶然です。複数重なったときに、気になる会社として記録しておく程度でいいと思います。
逆に、答えにくい質問に数字で答えてくれる会社は、情報を開示する文化がある会社です。入ってから困ったときに、聞けば答えが返ってくる可能性が高い。ここは入社後の働きやすさに直結します。
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1次・2次・最終で聞き分ける
同じ質問を誰に聞くかで、答えの精度が変わります。
| 段階 | 相手 | 聞くこと |
|---|---|---|
| 1次 | 人事 | 制度の話(昇給の仕組み、休日、評価の時期) |
| 2次 | 現場の上司 | 実態の話(繁忙期、チーム構成、1年後の期待) |
| 最終 | 役員・経営 | 方向の話(部署の位置づけ、今後の投資先) |
現場の実態を人事に聞いても、制度上の答えが返ってきます。逆に、制度の細かい条件を役員に聞くと答えが出ないことがあります。
配属予定の上司が出てくる面接が、いちばん情報が取れる回です。ここで3番と5番を使ってください。
よくある質問
Q. 逆質問はいくつ用意すればいいですか
3つあれば足ります。面接の流れで1つか2つは話の中で解消されるので、全部聞けることは少ないです。多く用意するより、自分が前の職場で困った項目に合わせて選んでおくほうが効きます。
Q. 給与の話を1次面接で聞くと不利になりませんか
聞き方次第です。「いくらもらえますか」ではなく「この職種で入った方は何年目でどう変わりますか」と仕組みを聞く形にすると、条件の確認として受け取られます。給料が辞めた理由の1位である以上、確かめずに進むほうがリスクが大きいです。
Q. 残業時間を聞いたら「月20時間程度」と言われました
平均値の可能性が高いので、繁忙期の実態を重ねて聞いてください。「いちばん忙しい月だと何時ごろの退社になりますか」が具体的です。平均20時間でも、繁忙期だけ60時間という分布はよくあります。
Q. 面接官が1人で、現場の人が出てこない選考でした
その場合は、入社前に現場の人と話す機会をもらえないか聞いてみる方法があります。断られることもありますが、応じる会社もあります。難しければ、求人を扱っているところにその会社の過去の事例を聞くほうが現実的です。



