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値段がついているのは
「決める役割」。

AI時代に20代が
伸ばすべきスキル
公的データから
逆算する

流行りの技術名からではなく、
金額の出ている場所から考えます。

この記事はPRを含みます

NextCareer編集部

20代・第二新卒の転職情報を取材・執筆

相談無料いまの経験の伸ばし方を相談する

「AI時代に必要なスキル」で検索すると、技術の名前が並んだ記事がいくらでも出てきます。読んだあとに何から始めればいいのか分からなくなる、というのもよく聞く話です。

困るのは、そういう記事に金額の裏付けがほとんどないことです。必要だと言われても、それを身につけたら何がどれだけ変わるのかが分かりません。

この記事では逆から考えます。公的統計で実際に金額の差が出ている要素を探して、そこから伸ばす方向を決めます。

目次
  1. 「AIに強いスキル」は統計に出てこない
  2. 金額として出ているのは「役割」
  3. 「使える」はすでに前提になっている
  4. 伸ばすべき3つの方向
  5. 学ぶ順番の決め方
  6. スキルより産業を変えるほうが効く場合
  7. よくある質問

「AIに強いスキル」は統計に出てこない

最初に、確認できなかったことを書いておきます。

日本の公的統計に、「このスキルを持つと賃金がいくら上がる」という形の集計はありません。職種別の将来の必要人数を国が試算している分野もありますが、そうした試算は複数のシナリオを並べた幅のある数字で、前提を変えれば結果も変わります。

世の中に出回っている「AI人材は年収○○万円」という数字も、ほとんどが民間サービスの登録者データです。母集団がはっきりしないので、自分に当てはめる根拠としては弱くなります。

※この記事では、出典と調査年がはっきりしている公的統計だけを使います。確認できない将来予測の数字は扱いません。

では何が確認できるのか。役割の有無による差と、産業による差です。この2つは毎年更新されていて、金額が明記されています。

金額として出ているのは「役割」

賃金構造基本統計調査の役職別の数字を見ます。雇用期間の定めのない一般労働者、男女計です。

役職別の賃金
賃金は全体平均34.1万円、係長級39.9万円、課長級52.9万円、部長級63.6万円。 全体平均:34.1万円 34.1 全体平均 係長級:39.9万円 39.9 係長級 課長級:52.9万円 52.9 課長級 部長級:63.6万円 63.6 部長級

出典:厚生労働省「令和7(2025)年 賃金構造基本統計調査の概況」(8)役職別にみた賃金、第1表。雇用期間の定めのない一般労働者・男女計の所定内給与額。全体平均は一般労働者の賃金340.6千円。

全体平均34.1万円に対して、係長級39.9万円、課長級52.9万円、部長級63.6万円。

20代で課長級に届く人はほとんどいません。見てほしいのは金額そのものではなく、「決める立場」になった時点で水準が別の段に乗るという構造です。

そしてこの構造は、AIの話と重なります。決められた手順を処理する作業は置き換わりやすく、何をどうするか決める仕事は残ります。統計の上で金額が付いているのも、後者です。

つまり「AIに強いスキル」を探すより、判断を持つ範囲を広げるほうが、確認できる数字に沿った方向だということになります。

「使える」はすでに前提になっている

一方で、AIそのものを使えることの価値はどうか。

総務省の情報通信白書によると、生成AIサービスを使ったことがある人の割合は2025年度調査で58.8%。前年度の26.7%から倍以上に増えています。テキストを扱うAIに限っても55.0%です。

出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」図表Ⅰ-1-1-1・Ⅰ-1-1-2、2026年7月公表。個人を対象としたアンケート調査。2025年度調査から15〜19歳を対象に加えており、20歳以上では52.2%。

半分以上の人が触っている状態です。この割合は来年さらに上がります。

「使えます」が差になる時期は、もう終わりかけています。差が残るのは、使って業務の手順を変えたか、ほかの人も使える形にしたか、間違いの防ぎ方を決めたか。これらはどれも、さきほどの「判断を持つ」話と同じ方向を向いています。

伸ばすべき3つの方向

  1. 方向 1手順を決める側に回る

    いまの業務で、誰かが決めた手順をなぞっている部分を探します。そこを「自分が決めていい範囲」に変えられるか、上司に相談してみる。小さい業務からで構いません。この経験は職務経歴書に書けて、面接でも必ず評価されます。

  2. 方向 2品質を判断できるようになる

    AIが出したものの良し悪しを判断するには、正しい状態を知っている必要があります。文章なら読み手に伝わるかどうか、数字なら元の資料と合っているか。判断の基準を持っている人が最後に確認する構造は、しばらく変わりません。

  3. 方向 3人を動かす経験を取る

    後輩への指導、他部署との調整、社外とのやりとり。1人で完結しない仕事は、置き換わりにくく、かつ役割の軸に乗ります。肩書きは要りません。「後輩2人に手順を引き継いだ」も材料になります。

3つに共通しているのは、どれもいまの職場で今日から取りに行けることです。新しい技術の勉強を始める必要はありません。

勤続年数の数字も参考になります。勤続0年が27.5万円、3〜4年が29.7万円、5〜9年が31.3万円。年数を積むだけでも水準は上がりますが、上がり幅は年に1万円に届きません。役割の段差のほうが大きいということです。

出典:厚生労働省「令和7(2025)年 賃金構造基本統計調査の概況」第7表。一般労働者・男女計・企業規模計。

学ぶ順番の決め方

何かを学ぶ時間を取るなら、順番はこう考えると無駄が出にくくなります。

よくある失敗は、3番目から始めてしまうことです。将来有望と言われる分野の勉強を独学で始めて、いまの業務と接点がないまま続かなくなる。時間だけが過ぎて、職務経歴書に書けるものが増えません。

1番目から入ると、学んだことが業務の成果に変わり、それが書類に書けます。測れる数字が1つできれば、それだけで選考での話し方が変わります。

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スキルより産業を変えるほうが効く場合

ここまでスキルの話をしてきましたが、金額の差でいえば産業のほうが大きいのが現実です。

産業別に見ると、情報通信業が40.6万円、学術研究・専門技術サービス業が44.0万円。産業計の34.1万円に対して6.5万円、9.9万円高い水準です。最も低い宿泊業・飲食サービス業は27.7万円で、上との差は16.7万円になります。

出典:厚生労働省「令和7(2025)年 賃金構造基本統計調査の概況」第5-1表・第5-2表。一般労働者の所定内給与額・男女計。

16.7万円の差を、スキルの習得で埋めるのはかなり難しい。それに対して、職種を変えずに産業を移るだけなら、20代の転職で現実的に起きることです。

だから順番としては、まず自分がどの産業にいるかを確認するほうが先になります。産業計より大きく下回っているなら、そこを動かすほうが学習より効きます。

一方で、産業を移ったあとに評価されるのは役割の経験です。移る前に方向1から方向3を1つでも取っておくと、移った先での位置が変わります。両方は矛盾しません。

よくある質問

Q. プログラミングを学んだほうがいいですか

職種を変えるつもりがあるなら選択肢になります。ただ、この記事で確認できた数字は、プログラミングの有無では出ていません。役割と産業で差が出ています。いまの職種を続ける前提なら、優先順位は高くありません。

Q. 20代のうちに役割を取れる職場ではありません

その場合、職場を変えないと方向3は取りにくくなります。人が足りない職場のほうが早く任されるという関係があるので、規模の小さい会社に移って役割を取り、そのあと規模を上げる順番もあります。

Q. AIの資格を取れば評価されますか

書類の見た目は整います。ただ利用率が58.8%まで来ている状況では、知識を持っていること自体の希少性は下がっています。資格より、業務で手順を変えた実例が1つあるほうが効きます。

Q. 何から手をつけるべきか、やはり決められません

自分の1日の作業を書き出して、「誰かが決めた手順をなぞっている時間」と「自分が決めている時間」に線を引いてみてください。前者が8割を超えていたら、方向1が最優先です。この棚卸しは求人を扱っているところに持ち込めば、どの方向が評価につながるかの見立てももらえます。

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