
希望した人は1023万人。
動いた人は330万人。
転職エージェントとの
面談、何を話す?
20代が先に
準備する5つのこと
聞かれることが分かっていれば、
1回目から話が進みます。
登録ボタンを押すところまでは進むのに、面談の日程調整のメールが来た時点で止まってしまう。20代の転職相談で、わりとよく起きていることです。
理由を聞くと、だいたい同じ答えが返ってきます。何を話せばいいのか分からない、まだ何も決まっていない状態で行っていいのか分からない。決まっていないから聞きに行くはずの場なのに、決まっていないことが足かせになっています。
この記事では、初回の面談で実際に聞かれることと、先に手元に用意しておくと話が前に進む材料を整理します。
目次
希望しても、3人に2人は動いていない
総務省の労働力調査には、「転職等希望者」という項目があります。いまの仕事を辞めてほかの仕事に変わりたい、あるいは別の仕事もしたいと希望している就業者の数です。
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の要約」。転職等希望者数1023万人(前年比23万人増)、転職者数330万人(同1万人減)。単位は万人。
希望した人が1023万人に対して、実際に移った人は330万人。差し引き約693万人が、希望を持ったまま同じ職場にとどまっています。
この693万人のなかに、本当は動いたほうがよかった人がどれくらいいるのかは、統計では分かりません。考えた末にとどまるという判断も、立派な判断です。
ただ、判断する前の材料集めをしないまま年が過ぎているというケースは、相当な数ありそうです。面談は、その材料を集める場だと考えてもらうのがいちばん近い使い方になります。
※「転職等希望者」は、転職活動をしている人ではなく、希望を持っている人の数です。実際に活動しているかどうかは問いません。
初回面談で実際に聞かれること
1回目に聞かれるのは、だいたいこの4つに収まります。
- いまどんな仕事をしているか(職種・担当範囲・会社の規模)
- なぜ転職を考えているか
- 次にどうなりたいか(決まっていなければ、何が嫌かでも成立する)
- いつ動きたいか、年収や勤務地にどこまで条件があるか
難しい質問は出てきません。志望動機を問われる場ではないので、面接のように整った答えを作る必要もありません。
ここで何が起きているかというと、担当者はこちらの話を聞きながら、手元にある求人のどれが合いそうかを探しています。つまり情報が具体的なほど、出てくる求人が具体的になるという仕組みです。「営業です」だけだと渡せる求人は絞れませんが、「法人向けに新規開拓を2年、1件あたり50万円くらいの商材で、月に4件ほど」まで話せると、候補はかなり変わります。
逆に、転職理由をきれいに言い換える必要はこの段階ではありません。給料が上がらないから、人が合わないから、で構いません。本音を伝えておかないと、同じ不満のある職場を紹介されることになります。
先に用意しておく5つのこと
書類にまとめる必要はありません。スマホのメモに箇条書きで入れておけば、それで足ります。
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1担当した仕事を、数字つきで3つ
「何を、どれくらい、どういう相手に」の3点がそろっていれば十分です。件数、金額、人数、期間のどれかが入っていれば数字つきになります。成果が出ていなくても構いません。規模感を伝えるための数字です。
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2いまの給与の内訳
月の総支給、ボーナスの実績額、残業代がいくら入っているか。この3つです。手取りではなく総支給で把握しておくと、提示された年収との比較がそのままできます。残業代の割合が大きい場合、残業が減る職場に移ると総額が下がることがあるので、ここは事前に分けておきたいところです。
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3辞めたい理由を、順番をつけて3つ
1つに絞らないほうがいいです。順位をつけておくと、「1番目は解決できるけれど2番目は変わらない求人」が出てきたときに、自分で判断できます。
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4譲れない条件を2つまで
勤務地、年収の下限、リモートの可否、残業時間。たくさん挙げると紹介できる求人がなくなります。2つに絞るのがきついなら、「絶対に無理なこと」を2つ挙げるほうが決めやすいかもしれません。
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5動き出せる時期
「いい求人があれば」ではなく、月で答えられるようにしておきます。3か月後なのか、半年後なのか、まだ情報収集だけなのか。情報収集だけなら、そう言ってしまって問題ありません。急かされ方が変わります。
この5つのうち、2番の給与の内訳がいちばん抜けがちです。源泉徴収票か給与明細を1枚だけ見返しておくと、面談中に「たしか手取りで22万くらい」と曖昧に答えて話が止まるのを防げます。
逆に、準備しなくていいこと
かけた時間に対して返りが小さいものもあります。
不要 1
職務経歴書の完成版
初回に完成品は要りません。面談で話したことをもとに書き方を一緒に直すほうが早いので、むしろ先に作り込むと手戻りが出ます。箇条書きのメモで足ります。
不要 2
志望業界の下調べ
決めてから行く場所ではありません。業界ごとの給与水準や人の出入りは、面談で聞いたほうが新しい情報が出てきます。
不要 3
強みの言い換え
「主体性があります」のような言い方に整える作業は、まだ要りません。事実のまま伝えたほうが、評価されるポイントを向こうが見つけてくれます。
こちらから聞いておくと得をする質問
面談は一方的に聞かれる時間ではありません。こちらが聞ける質問のうち、効率がいいものを挙げます。
- 自分と同じ経験年数・職種の人が、直近でどんな会社に決まっているか
- いまの経験だと、年収のレンジはどのあたりになるか
- 応募から内定まで、平均してどれくらいかかるか
- 自分の経歴で、書類で落ちやすいのはどういう求人か
- いま動かずに1年待つと、条件は変わりそうか
2番目の年収レンジは、聞いておくと判断材料としていちばん効きます。自分の市場価値を自分で見積もるのは難しいので、求人を扱っている側の見方を一度入れておくと、今の給与が業界の水準からどれくらい離れているのかが見えます。
5番目は意外と答えが返ってきます。経験年数が評価の軸になる職種では、1年待つことがプラスに働く場合もあります。全員が今すぐ動くべきという話ではありません。
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1社だけにするか、複数社に登録するか
結論の出し方としては、1社で始めて、2回目の面談までに物足りなさを感じたら足す、という順番がいちばん無理がありません。
複数社に登録すると、紹介される求人の重複がすぐ見えてきます。どこに出しても同じ会社が出てくるなら、それは市場に広く出ている求人です。1社だけに出ている求人があれば、そこの持ち物ということになります。この見分けがつくのが、複数登録のいちばん分かりやすい利点です。
一方で、面談の回数が増えて、同じ話を何度もすることになります。働きながら進める場合、ここで息切れしやすい。最初から3社も4社も登録して、全部の連絡に返せなくなって止まる、という流れはよく起きています。
※同じ求人に複数の経路から応募すると、企業側で重複と判断されて選考が止まることがあります。応募先は自分で記録しておいてください。
よくある質問
Q. 転職するか決まっていない状態で面談に行っていいですか
問題ありません。面談の冒頭で「まだ情報収集の段階です」と伝えておけば、求人を押し込まれる展開にはなりにくくなります。労働力調査で見るかぎり、転職を希望している人は1023万人いて、そのうち実際に移ったのは330万人です。希望の段階にいる人のほうが圧倒的に多く、面談に来る人の多くもその段階にいます。
Q. 経験が1年ちょっとしかありません。早すぎませんか
短くても面談自体は成立します。ただ、1年未満だと紹介できる求人が未経験枠に寄るため、提示される条件が今と大きく変わらないことがあります。その場合は「あと何年、何を担当すると選択肢が広がるか」を聞いて帰るのが、いちばん持ち帰りの大きい使い方です。
Q. 在職中なので、平日の面談時間が取れません
オンラインと夜間、土日に対応しているところが多いので、まず希望時間を先に伝えてから登録するほうが早いです。時間が合わないことを理由に止まっているなら、そこは調整できる部分です。
Q. 年収を実際より高く言ったほうが有利ですか
やめたほうがいいです。内定時に源泉徴収票の提出を求められることがあり、そこで食い違うと話が崩れます。現在の年収が低いことが不利になるわけでもありません。厚生労働省の雇用動向調査では、転職して賃金が増えた人は20〜24歳で50.5%、25〜29歳で46.3%でした。上がる側に入るかどうかは、今の金額よりも移る先で決まります。
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表6(転職入職者の賃金変動状況)。



