
保存した求人が、
全部同じに見える。
「なんとなく
良さそう」で
選ぶのは危ない
比較の準備ができていないサインです。
メモ1枚で変わります。
年収、休日、研修、働き方。気になる条件がたくさんあるのは自然です。ただ、求人を開くたびに違う条件へ目が向くと、自分が何を優先したかったのか分からなくなります。
今の仕事がつらいときほど、「ここより良ければ」で急いで決めたくなるものです。でも、その判断は当たりとは限りません。
この記事では、20代・第二新卒が求人を比較するときのメモの作り方を紹介します。今すぐ応募しない人も、今の職場で変えたいことを整理するのに使えます。
目次
4人に1人は、転職で下がっている
転職すれば条件は良くなる、とは限りません。国の調査で、転職した人の賃金がどう動いたかを見てみます。25〜29歳の数字です。
賃金変動(縦軸0〜50%)
そのうち
「1割以上の増加」
34.2%
1割以上減った人は16.5%
出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6(転職入職者の賃金変動状況別割合)。25〜29歳、男女計。転職入職者のうち前職雇用者で調査時在籍者。3区分の合計は98.7%(残りは不明)。
増えた人は49.8%。20代後半は全年齢の40.8%より高く、動きやすい時期です。それでも23.9%は減っています。約4人に1人です。
同じ時期に転職した人の中で、上がる人と下がる人が分かれる。その差は運だけではなく、何を確かめてから決めたかの差でもあります。だからメモを作ります。
「いい会社」より、何を変えたいか
「成長できる会社」「働きやすい環境」は、そのままでは比較できません。まず、今の仕事でどんな場面が続くと困るのかを思い出してください。
| ざっくりした不満 | 分けると |
|---|---|
| 忙しい | 急な依頼で予定が崩れる/相談相手がいない |
| 成長できない | 新しい仕事に挑戦できない/任された仕事への助言がない |
どちらに当てはまるかで、確かめる内容が変わります。ここでは、自分を前向きに見せるための言い換えを急がなくていいです。比較のための個人メモなので、「嫌な仕事を避けたい」と思ったなら、どの部分が負担だったのかまで書きます。
そのうえで、「入社後にどうなっていれば改善と言えるか」を一行足します。相談相手を確かめたい、担当する仕事の範囲を知りたい、勤務予定が決まる時期を知りたい。これがあると、求人の見栄えに引っ張られません。
希望を3つの重さに分ける
希望を全部同じ重さで並べると、どの求人にも足りない点が見つかります。逆に、気になる点を全部「まあいいか」で流すと、何のために転職するのかが曖昧になります。
-
1外せない条件
生活上の事情で勤務できない時間帯があるなら、ここに入ります。満たさない求人は、他が良くても見送る前提の条件です。
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2できれば満たしたい条件
あると嬉しいが、欠けても応募できる条件。ここを厚くしすぎると、どの求人も不足だらけに見えます。
-
3確認してから考える条件
研修の形式などは、配属先の支援体制が分かってから決めたい条件かもしれません。いま順位を付けなくていい欄です。
これは編集部から提案する整理方法で、誰にでも同じ優先順位を勧めるものではありません。自分の事情と仕事上の希望を、一度別々に書くと整理しやすくなります。
最初から完璧に決めなくて大丈夫です。求人を見て新しく気付いた希望は足してください。ただし、条件を変えた理由も残します。目の前の求人に合わせて、無意識に希望を下げていないかを後から振り返れます。
比較メモは4つの欄で作る
求人ごとに自由な感想を書くより、同じ項目を同じ順番で並べます。欄はこれだけです。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 項目 | 自分が確かめたいこと |
| 記載 | 求人に実際に書かれていること |
| 不明点 | 書かれていないこと、意味が広くて判断できないこと |
| 次の質問 | 応募前や面接で確かめたいこと |
たとえば項目を「入社後に任される仕事」とした場合。「幅広い業務に挑戦」と書いてあっても、最初に何を担当するかは分かりません。記載欄にはその表現を残し、不明点には「入社直後の担当範囲」と書く。質問は「入社してから最初に担当する仕事の例を教えてください」になります。
この4欄は、応募するかを自動で決める採点表ではありません。違いを見えるようにして、判断に足りない情報を探すためのものです。項目を増やしすぎず、自分の優先条件から始めてください。
「研修充実」を約束と受け取らない
求人の言葉を、都合の良い意味で補ってしまうことがあります。「研修充実」だから未経験の仕事も一から教えてもらえるはず。「若手活躍」だから入社後すぐ希望の役割を任されるはず。そうした期待は、記載されている事実とは分けておきます。
この表現がある求人を避ける、という話ではありません。何を指しているのかを具体的に確かめるだけです。研修なら、聞く項目は4つあります。
- 対象者(全員か、未経験者だけか)
- 内容
- 配属前か、配属後か
- 仕事で困ったときの相談先
若手の役割が気になるなら、年齢の印象だけで判断せず、担当する仕事の例や、その仕事を任されるまでの流れを聞きます。自分が求めているのが早い昇進なのか、助言を受けながら経験を増やすことなのかでも、確かめる点は変わります。
質問への回答で、すべてが確定するわけでもありません。募集職種や配属先、自分の経験によって違う部分はあります。聞けたことと、まだ分からないことを分けて残してください。
今の仕事も、同じ項目で比べる
転職先の求人だけを見ていると、今の職場で既に得ているものを数え忘れます。反対に、今の仕事への不満が強いと、次の職場の分からない部分を良い方へ想像しやすくなります。
そこで、比較メモに今の仕事の欄も作ります。担当業務、相談相手、学べる経験、働く時間、通勤。同じ項目で書きます。良い点を無理に探す必要も、不満を小さく扱う必要もありません。実際に分かっていることを置くだけです。
比べた結果、今の職場で担当業務や学び方を相談できそうだと感じるかもしれません。あるいは、働き方の条件がどうしても合わないと整理できるかもしれません。どちらも、次に何を確かめるかが見えたということです。
周りの人が転職したことだけを理由に、同じ時期に動く必要はありません。自分の希望と現状を比べて、変えたい点がどこにあるのかを言葉にしてから、応募や相談へ進みます。
面接では、不明点から質問を選ぶ
質問集から気の利いた言葉を探すより、自分が判断するために必要なことを優先します。限られた時間で全部を聞こうとせず、答えによって応募の意思が変わる項目から選びます。
範囲が広すぎる
どのように成長できますか。
場面に近づける
入社後に仕事を覚える際、誰に相談する流れですか。担当業務の振り返りは、どのような機会に行っていますか。
相手の回答は、あとで比較できるよう自分の言葉で短く残します。「雰囲気が良かった」という感想も大事ですが、それだけで他の不明点を埋めないこと。回答に条件が付いていたなら、その条件も一緒に記録してください。
個人情報や業務上の秘密を聞き出す必要はありません。答えにくいと言われた場合は、その項目が不明のままでも判断できるかを考えます。確認できなかったことを、悪いことがある証拠と決め付けるのも避けたいところです。
点数だけで決めない
項目ごとに点数を付けると整理しやすい人もいます。ただ、合計点が高いことと、自分が外せない条件を満たしていることは違います。小さな好条件が多いからといって、生活上どうしても難しい条件が消えるわけではありません。
点数を使うなら、最後に外せない条件へ戻って確認します。また、まだ分からない項目を低い点数に置き換えると、情報不足と条件の不一致が混ざります。不明は不明のまま残し、質問できるかを考えたほうが、判断の理由を説明しやすくなります。
相談相手と意見が違ったときも、どちらの点数が正しいかを争う必要はありません。自分が優先する条件と、その理由を共有してみてください。比較の目的は、他の人にも同じ求人を選んでもらうことではなく、自分が何を確かめて決めるかを決めることです。
条件を足したときは、過去に見た求人にも同じ欄を足します。先に見た求人の情報が少ないというだけで、後に見た求人のほうが良いと判断しないためです。情報が足りなければ、現時点では比較できないと残しておきます。
求人を保存した日と確認した日も記録しておくと安心です。募集内容は変わることがあるため、応募を考える時点で改めて確認してください。過去のメモは考えた経緯として使い、今の募集条件の保証としては扱いません。
よくある質問
- 求人は何件くらい比べればいいですか。
- 件数の目安はありません。同じ4欄で3件ほど埋めると、自分がどの項目を見ているか分かってきます。
- 空欄が多くて、比較になりません。
- 空欄は準備不足を示す点数ではなく、これから聞くことが見つかった印です。埋める順番を決めるほうが先です。
- 年収は求人票の下限で考えるべきですか。
- 幅のある表記は、経験や等級で決まります。何で決まるかを聞いて、記載欄にその条件を書いてください。
- エージェントに紹介された求人は、応募すべきですか。
- 紹介されたこと自体は、応募しなければならない理由にはなりません。希望に合うと考えた理由を聞いて、合わない点は具体的に伝えてください。
- 今の会社に残る選択も、メモで比べられますか。
- 比べられます。今の仕事の欄を同じ項目で埋めると、変えたいのが会社なのか担当業務なのかが見えてきます。
- 比較している間に募集が終わってしまいそうです。
- 外せない条件だけ先に確認して応募し、残りは選考中に聞く方法もあります。確認を全部終えてから動く必要はありません。
まとめ:まず一件、空欄を残したまま比べる
今日やるなら、気になった求人を一件選び、「変えたい場面」「実際の記載」「まだ分からないこと」を書いてみてください。今の仕事と同じ項目で並べ、どの情報があれば判断できるかを一つ決めます。
25〜29歳の転職で賃金が増えた人は49.8%、減った人は23.9%でした。上がるか下がるかは、動く前にどれだけ確かめたかで変わる部分があります。
転職するかどうかを今日決める必要はありません。なんとなく良さそうで終わらせず、自分に必要な情報を確かめる。その一歩が、応募する人にも、今の仕事を続ける人にも使える準備になります。



